上野焼(あがのやき)とは、福岡県田川郡福智町上野を中心に作られる焼き物で、茶の湯とともに育まれた茶陶として知られています。薄作りで軽く、多彩な釉薬(うわぐすり)による美しい色合いが特徴。小堀遠州が指導したとされる「遠州七窯(えんしゅうなながま)」のひとつにも数えられます。この記事では、上野焼の特徴・歴史・魅力・選び方まで、はじめての方にもわかるように解説します。
この記事でわかること
- 上野焼とは何か(福岡県福智町の焼き物)
- 薄作りで軽いという特徴
- 多彩な釉薬の色合い
- 遠州七窯・茶陶としての位置づけ
- 朝鮮陶工に始まる歴史
上野焼とは
上野焼は、福岡県の上野(あがの)地区で作られる陶器で、1983年に国の伝統的工芸品に指定されました。茶の湯の道具(茶陶)として発展し、茶人好みの洗練された姿が身上。「上野」は「うえの」ではなく「あがの」と読みます。日常の器から茶道具まで、上品な佇まいの焼き物です。
薄作りで軽いという特徴
上野焼の大きな特徴は、生地を薄く成形した「薄作り」による軽さです。手に取るとすっと軽く、口当たりもよいため、茶碗や湯呑みとして扱いやすいと評されます。実用と美しさを兼ね備えた、茶陶ならではの繊細な作りです。
多彩な釉薬の色合い
上野焼は、さまざまな釉薬を使い分け、豊かな色の表情を生み出します。
| 釉薬 | 色合い |
|---|---|
| 緑青釉(ろくしょうゆう) | 銅による、深い緑〜青緑の色 |
| 透明釉 | 素地を生かした、やわらかな肌 |
| 鉄釉・白釉など | 褐色や白など、落ち着いた色調 |
とくに緑青釉の美しい発色は、上野焼を代表する見どころのひとつです。
遠州七窯・茶陶としての位置づけ
上野焼は、江戸時代の茶人・大名の小堀遠州(こぼりえんしゅう)が好んだ、あるいは指導したと伝えられる七つの窯「遠州七窯」のひとつに数えられます。遠州の「きれいさび」と呼ばれる洗練された美意識に合う、上品で軽やかな茶陶として発展しました。
上野焼の歴史
上野焼は、江戸時代初期、豊前小倉藩主の細川忠興(三斎)が、朝鮮出身の陶工・尊楷(そんかい/上野喜蔵)を招いて窯を開かせたことに始まると伝えられます。唐津焼や薩摩焼などと同じく、朝鮮の陶工の技術を源流にもつ焼き物のひとつ。藩の御用窯として茶陶づくりで栄え、今日まで受け継がれています。
上野焼の選び方・使い方
- 茶碗・湯呑み:薄作りで軽く、手になじむ茶碗や湯呑みは上野焼の魅力を感じやすい品です。
- 器・酒器:緑青釉などの色合いを楽しめる皿やぐい呑みも。
- 手入れ:陶器で吸水性があるため、使い始めの目止めと、使用後によく乾かすことがおすすめです。
よくある質問(FAQ)
Q. 「上野焼」は何と読む?
A. 「あがのやき」と読みます。福岡県田川郡福智町の上野(あがの)地区に由来する焼き物です。
Q. 遠州七窯とは何ですか?
A. 江戸時代の茶人・小堀遠州が好んだ、あるいは指導したと伝えられる七つの窯の総称です。上野焼もそのひとつに数えられます。
Q. 上野焼の特徴は?
A. 薄作りで軽いこと、緑青釉などの多彩な釉薬による色合いが特徴です。茶の湯に育まれた、上品で扱いやすい茶陶として知られます。
まとめ:上野焼は茶の湯が育てた軽やかな焼き物
上野焼は、福岡県福智町に伝わる、茶陶として育まれた焼き物です。薄作りの軽さと、緑青釉に代表される多彩な色合いが魅力。朝鮮陶工に始まり、遠州七窯として茶人に愛されてきた歴史をもちます。軽くて扱いやすい茶碗や湯呑みから、その上品な世界に触れてみてはいかがでしょうか。
