金沢・武家屋敷跡近くに金箔ジュエリーの店舗兼工房 NYやパリでも注目

金沢を代表する伝統工芸、金沢箔(はく)を用いた金箔(きんぱく)ジュエリー「Gold-Knot(ゴールド・ノット)」(金沢市長町1、TEL 076-205-6202)が長町武家屋敷跡近くに店舗兼工房となるメゾンをオープンして1カ月半がたった。ニューヨークやパリからも引き合いがあり、「金沢の新たな伝統工芸品」として注目を集めている。

運営するのは、デザイン会社「エイチツーオー」(長町1)。グラフィックやパッケージなどデザインを手掛ける中で、自社のデザイン商品を生み出そうと、同社デザイナーの木和田里美さんがヨーロッパの伝統的なレースの技法「タティングレース」と金沢箔を組み合わせたジュエリーを考案。試行錯誤の末、レースに金箔を重ね貼りする独自の技法で完成にこぎ着けた。

開発からの数年間、全国の百貨店で催事やポップアップストアに出店する間にファンも増え、「金沢生まれのジュエリーを現地で直接購入したい」という声が寄せられるようになり、デザインとものづくり、販売を一体化した拠点「メゾン」としてオープンすることにしたという。

商品はネックレスやピアス、イヤリング、ブローチなどを展開。「日常の暮らしの中で身に着ける伝統工芸」をコンセプトに掲げる。最大の特徴はわずか数グラムという軽量さ。「大きなモチーフが付いたアイテムでも重さが負担にならず、気軽に身に着けていただける」と木和田さん。幅広い世代が楽しめるよう、マットな質感の金箔を使い、華やかながら品のあるデザインでコーディネートのしやすさも追求している。

今年4月からは、ニューヨークのクラフト専門美術館「ミュージアム・オブ・アート&デザイン(MAD)」内のショップでの取り扱いが始まり、今月11日からはフランス最高の権威であるレジオン・ドヌール勲章を受章した料理人ドミニク・ブシェさんのレストランに隣接したサロン「WA Salon」で展示とワークショップを行う。ファッションを先端にあるニューヨークとパリで、金沢発の新たなモードの発信に挑む。木和田さんは「新しい伝統工芸ジュエリーでおしゃれを楽しんでもらえたら」と笑顔を見せる。

営業時間は10時30分~18時30分。水曜定休。

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