金沢市の希少伝統工芸品「二俣和紙」を発信するイベント「二俣紙すきの里まつり」(北國新聞社など後援)が2日、同市二俣町内で開かれ、来場者は紙すきや短冊づくりの体験などを通じて地域文化の魅力に触れた。医王山の開山1300年を記念した今年は「自然・水・食」をテーマとし、イワナの塩焼きや山菜料理を提供する露店も並び、地元産の自然の恵みもPRした。
優れた耐久性と柔らかな質感が特長の二俣和紙は、加賀藩が幕府に提出する公文書に採用し「加賀奉書」の名で呼ばれるなど、古くから上質な和紙として知られる。
近年は紙すき職人の減少により担い手不足が課題となっており、まつりは町会などでつくる実行委が、町の特産品である和紙の魅力を伝えようと毎年開催している。今年で32回目となった。
会場の一つとなった二俣紙すきの里古里館では、親子らが地元住民の指導ですいた紙に押し花などを思い思いに飾り付け、オリジナルのしおりや色紙を作った。
メイン会場の医王山農村環境改善センターでは、地域に伝わる「二俣いやさか踊り」が披露された。石川のご当地アイドル「JAMPIN’(ジャンピン)」も出演し、会場を盛り上げた。