伝統工芸の彫金を使用したブライダル商品の企画を、同志社女子大学芸学部の学生たちが考案し、京田辺市興戸の京田辺キャンパスで21日に発表した。十二単(ひとえ)をまとい、彫金の杯を酌み交わす平安時代を追体験する式で、「じゅんあいの儀―純銀の盃で巡る千年の愛」と名付け、商品化を目指す。
関口英里教授ゼミの学生と婚礼事業会社「TNCブライダルサービス」(京都市中京区)が、産学連携プロジェクトとして2008年から京都にちなんだブライダル商品を企画している。
今回は彫金老舗の「竹影堂」(中京区)と装束店「弥栄(いやさか)」(伏見区)が協力。3年生13人が約1年かけて考案した。
この日は、みやびやかな十二単をまとった新郎新婦役の学生が純銀製の銚子を持ち、参加者に酒をついでまわる模擬披露宴が行われた。参加者が彫金の杯を手渡していく「盃リレー」では、最後に杯を受け取った新郎新婦役が互いに杯を酌み交わした。
プロジェクトリーダーの坂本星奈さん(21)は「ターゲットの20~30代は彫金について知らない人も多いので、近くで見て魅力を感じられるプランを考えた」と話した。竹影堂の中村榮眞代表は「学生さんの新しい感覚で見せ方を考えてもらえ、ありがたい」と語った。
今企画はTNCブライダルサービスが、秋ごろをめどに商品化を進める。