和歌山県岩出市高塚の県立那賀高校で27日、根来寺根来塗曙山会による漆の伝統工芸の授業が行われた。
総合学習で美術を選択する3年生36人が参加。7月から全5回の授業で1枚の皿を作るというものでこの日が最後。
講師は幻と言われた中世の技法を復興させた塗師の池ノ上曙山さん(60)と3人の弟子が担当。根来塗の歴史や特徴、技術を伝えた。
生徒は朱漆を塗る作業に初挑戦。曙山さんから、付け回す、ならす、仕上げる、ふちを回すなどと説明を受けた後、はけを使って皿の高台から底までを塗り、むらがないように丁寧に仕上げた。
小長谷拓君(17)は「難しかったけど、徐々にこつがつかめて楽しかった。漆の厚みの調整が難しかった」、岡山りなさん(18)は「朱塗りは自分の筆の使い方でむらがすごく出るので難しかった。先生に味が出ていて良いと言われたのはうれしかった」と話した。
曙山さんは「根来塗は和歌山の伝統の塗り物。多くの人に知ってもらいたい。また授業を通じて根来塗の仕事を志す人が出てくれればうれしい」と話した。