こけしの普及や工人の技術向上を祈願しようと、青森県黒石市の津軽こけし館で4日、津軽系こけし工人による新春恒例の初挽(び)きが行われた。工人阿保六知秀(あぼむちひで)さん(69)が伝統の職人技を披露し、多くの家族連れなどが見入った。
制作したのは同市温湯(ぬるゆ)温泉発祥で、細くくびれた胴とおかっぱ頭などが特徴の「温湯こけし」(高さ約30センチ)。阿保さんは、ろくろに取り付けて回転させた木材を専用の工具で削り、こけしの形を丁寧に調整。赤や青など5色で彩色した。
同市の小学4年北山美芽莉さん(10)は「ドキドキしながら作業を見ていたけど、とてもきれいに出来上がっていた」と笑顔だった。
津軽こけし館では、工人による制作の実演スペースが設けられており、開館日に無料で見学できる。