ふるさと納税による寄付を活用した福井県の新事業創出支援制度が成果を上げている。制度創設初年度の2018年度は、認定を受けた6事業者がいずれも目標の寄付を集め、イベント開催や新商品開発などのプロジェクトを実現。県は「引き続き、さまざまな取り組みを期待したい」と19年度の事業者を6月28日まで募集している。
支援制度は福井県が、福井新聞社、福井銀行と連携して実施。事業者が実現したいプロジェクトを県が認定し、ネット上で資金を募るクラウドファンディングサイト「レディーフォー」でふるさと納税を呼び掛ける。寄付額が目標額に達した場合、寄付を原資とした奨励金を事業者に支給し、実現を目指してもらう仕組み。福井新聞社は情報発信に、福井銀行は経営サポートに協力する。
プロジェクトは地域の課題解決や活性化を目的とすることが条件。18年度は6事業者が、それぞれ60万~100万円を目標に寄付を呼び掛けたところ、いずれも目標を超える寄付を集めた。
そのうちの一つ、伝統工芸職人らを集めた交流イベント開催プロジェクトには、寄付目標額100万円に対して118万1千円が寄せられた。事業者は10月に鯖江市内でイベントを実施。交流を通じ、職人が将来の事業展開などを考える機会などを提供した。
19年度は事業者の対象を拡大。18年度は県内事業者に限定していたが、本年度は「地域おこし協力隊特別枠」として、協力隊などとして県内に居住経験がある県外在住者が、県内で活動するプロジェクトにも支援を行う。支援するプロジェクトの件数は10件程度で、うち2件程度を特別枠に充てる。寄付目標額は1件につき、50万~100万円程度とする。
福井県地域交流推進課は「新たなチャレンジを応援する仕組みとして、制度の効果が上がっている。今後も多くの取り組みを支援していきたい」としている。問い合わせは、同課=電話0776(20)0665。