「現代こけし職人」フランスのパトネさん修業中 コンクール入賞の実力派、華やかさと伝統融合

新山さん(左)から模様の描き方を教わるパトネさん

 こけしの里として知られる白石市福岡八宮の弥治郎こけし村で、フランス人のパトネ・パトリックさん(50)が伝統こけしの修業に励んでいる。「現代こけし職人」と名乗り、日本でのコンクールで入賞経験がある新進の実力派。ベテラン工人から伝統の技を教わり、さらなる高みを目指す。

 パトネさんは5~7月、仙台市泉区でホームステイして日本語を学び、週末にこけし村の工房に通う。師匠で弥治郎こけし業協同組合理事長の新山実さん(63)が手本を見せたり、タブレット端末で翻訳サービスを利用したりして、ろくろや道具の使い方を教えている。

 十数年前、日本人の友人からもらったこけしに魅了されたのがきっかけ。イラストレーターの傍ら、木工旋盤や道具を買いそろえ、こけし工人を紹介するインターネット動画などを参考に独学で作り続けてきた。東京のこけし愛好者団体の紹介で、弥治郎系伝統こけしを学ぶことになった。

 パトネさんは「作り手の心が表れる多様なデザインや形がこけしの魅力。フランスの華やかさと日本の伝統を融合させた作品を見てもらいたい」と話す。

七十七銀行賞を受賞した「だるま家族」

 昨年の第60回全日本こけしコンクール(白石市)に創作こけし「ほころぶ蕾(つぼみ)25cm」を初出品し、宮城県知事賞を受賞。今年は新型こけし「だるま家族」が七十七銀行賞に輝いた。

 新山さんは「素直に話を聞いてくれるし、覚えも早い。伝統こけしをフランスにも広めてほしい」と期待を込める。

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