佐賀の織元が伝統工芸「鍋島緞通」の「令和」デザインタペストリー製作/佐賀

「織ものがたり」の木下真社長と「鍋島緞通」の「令和」タペストリー

佐賀伝統の手織りじゅうたん「鍋島緞通(だんつう)」の織元「織ものがたり」(佐賀市柳町)が5月末、「令和」の書をあしらったタペストリーを製作した。

木製織機を使い、経糸(縦糸)と緯糸(横糸)ともに上質の木綿糸で一目一目を手で織り上げる工芸品で、江戸・元禄(げんろく)期から藩主鍋島家の御用品となり発展したもので、現在、「佐賀県伝統的地場産品」に指定されている。

木下真社長は、改元に合わせて記念になる物を「鍋島緞通」で作りたいと考え、新元号の発表と同時に図案を起こし制作に取り掛かったという。「令和」の書体に、元号の出典である万葉集「梅花の歌」の序文をイメージした梅にまつわる図柄を「緞通」のベースに配色し、落款印をイメージした左下の位置に源氏香の図「梅ヶ枝」をデザインしたタペストリーを2カ月ほどかけて完成させた。

木下社長は「緞通1枚の製作に非常に時間がかかるため、依頼を頂いて製作することがほとんどだが、元号が新しくなるというめったにない機会なので、百貨店での実演販売の場も利用して思い切って製作した。『鍋島緞通』でもオリジナルのものができるということを知ってもらえれば」と話す。

価格は45万3,600円。完全受注生産品。納期は受注から約3カ月。7月11日~14日は「佐賀市歴史民俗館 旧牛島家」(柳町)で「令和」タペストリーの展示を行う。

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