木工や彫刻などを手掛ける職人らでつくる「日本伝統職人技術文化研究会」(富山市)が、高野山・奥之院(和歌山県高野町)の弘法大師御廟(ごびょう)に食事を運ぶ「生身供(しょうじんぐ)」用の木箱「唐櫃(からびつ)」を制作し、高野山真言宗の総本山金剛峯寺に24日、奉納した。25日昼の生身供で使われる。
平成28年に金剛峯寺で職人技を披露するイベントを開いた際、奉納できる作品を寺側に提案したことがきっかけ。賛同した会員らが最高級のヒノキ材など厳選素材を使ったうえで、技を結集して完成させた。
さまざまな装飾を施した唐櫃は長さ2.2メートル、幅94センチ、高さ85センチ。屋根は檜皮葺にし、脚に螺鈿(らでん)細工を施した。奉納式で添田隆昭執行長が「平成の時代に作られた工芸として伝えていきたい」と感謝。上野幸夫理事長は「千年以上は保つと思う。こうした仕事に携わることができてうれしい」と話していた。