大正時代から伝わる伝統工芸品、大内塗漆器の新商品「大内人形椀(わん)」と「山口椀・令」の完成発表会が30日、山口市下竪小路の山口ふるさと伝承総合センターであった。
大内塗漆器振興協同組合と県立大地域デザイン研究所が大内塗の新しいスタイルを発信し、販路拡大に向けて商品化したシリーズの第2弾。前回の「大内人形マトリョーシカ」よりも「日常的に大内塗に触れてほしい」と実用性に重点を置き、同研究所の山口光所長(46)が提案した。
「大内人形椀」は小型のおわんで、裏返すと底の部分に大内人形が描かれており、子どもが楽しく使えるようにと考えた。「山口椀・令」は、多面体のおわんで側面がやや角張っており、持った時に指が引っ掛かって片手でも持ちやすいように工夫してある。
商品の一部には、同大4年の金子祐樹さん(24)が、漆を塗る前の原型である「木地」を制作したものもある。
山口さんは「大内塗は大内人形のイメージが強い。人形のかわいらしさと生活工芸品としてのバランスが取れた新しい提案を今後もしていきたい」、同組合の冨田潤二理事長(68)は「工房が少なくなってしまったが山口市の伝統工芸品を後世に伝えていかなければ」と話した。
価格は5千円(税別)から。問い合わせは同研究所(電話083・928・2557)へ。