沖縄・久米島高が楽天と連携 探究活動をスタート

沖縄県立久米島高校(石原啓校長、生徒221人)で7月27日から29日までの3日間、地域住民や楽天と協働して地域の未来を考えるプログラム「Rakuten IT School NEXT」の、夏休みワークショップが実施された。SDGsの目標年である2030年の「久米島の伝統文化」をテーマに、理想とその実現に向けて何をすべきかを考え、施策を立案する探究活動をスタートさせた。

質問をしながら真剣に聞く高校生(久米島町役場企画財政課提供)

久米島町では13年度、「久米島高校魅力化プロジェクト」に着手した。町役場企画財政課で同プロジェクトを担当する岡本耕平さんは「久米島では『島の教育は島全体で応援する』との考えの下、『地域を学ぶ、地域と学ぶ、地域で学ぶ』の実現を目指してきた。今も県と町がタッグを組む形で、地域に根差した学校運営に取り組んでいる」と語る。

プロジェクトの一環として実施する「Rakuten IT School NEXT」については、「高校生が楽天のテクノロジーを使いながら、地域住民や楽天社員らと共に、地域課題の解決を目指すプログラム」と説明。

同校の生徒は4人1チームで取り組み、今回の夏休みワークショップから約3カ月間にわたって話し合いをして、10月31日に島内で発表会を開催。優勝チームは12月14日に都内で開催される成果発表会で、最終発表をする予定だという。

ワークショップ初日、生徒らは久米島の伝統文化に関わる住民に、伝統工芸品である久米島紬(つむぎ)や伝統行事についてインタビュー。その上で、現状をより良くしていくためのアイデアをチームで出し合った。

約30年前までは1学年300人近かった子供の数が、ここ数年で100人を切るまでになったという島の現状や、工芸品の価格が安く設定されているという実態を踏まえ、「このままでは担い手不足になり、島外への移住が増え、人口減少が加速する」「まずは島外に久米島の伝統をアピールし、産業を安定させて後継者を確保しよう」と話し合った。

現状をより良くするためのアイデアをチームで出し合う(久米島町役場企画財政課提供)

2日目には、楽天社員の指導と助言を受けながら、壁や窓に貼った模造紙に新たなアイデアを書いた付せん紙を次々に足して、それぞれを結び付け、最終日はグループごとに発表をして、相互に考えを深め合った。

生徒らは「アイデアを付せん紙に書くことで、互いの考えが分かり、次のアイデアにつながったのが一番楽しかった」「アイデアを出して終わりではなく、実行に移すのが大事。これからの活動で、楽天の最先端の機器などを使わせてもらいながら、島の活性化に取り組みたい」と語った。

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