8月9日は「箔(はく)の日」。金沢市東山1丁目の宇多須神社では、箔の職人らによる奉納箔打(はくうち)があった。
箔を打ったのは、いずれも金沢市の澄(ずみ)職人の杉本一馬さん(29)と、箔職人の松村法行さん(26)。白装束をまとって境内で向き合い、大小の金づちを交互に打って金箔をのばす伝統の手法を披露。打った金箔を奉納した。ともに老舗の後継ぎの2人は「箔に関わる若い人は少ないので、自分たちがこれから金沢の箔を背負って頑張っていくんだ、という気持ちで打ちました」と口をそろえた。
箔の日は、先人を供養して近況報告するため、石川県箔商工業協同組合が1971年に定めた。同組合によると、県内の箔の職人は減少傾向で現在は100人ほど。蚊谷(かたに)八郎理事長(75)は「先人が残した伝統技術を守り、今後も箔文化を栄えさせていきたい」と話した。(堀越理菜)