曲げわっぱで“小商い” 埼玉の女性「文化を守るお手伝い」

ワークショップで、曲げわっぱ弁当の詰め方を教える山﨑さん(右奥)

曲げわっぱでスモールビジネス―。埼玉県草加市のパート従業員山崎淳子さん(43)が、大館市の伝統工芸品・曲げわっぱの弁当箱を使い、定期的にワークショップやカフェを開いている。毎月3万円程度の収入を目指す「月3万円ビジネス」というユニークな活動。山崎さんは「身の丈に合った活動で、大好きな曲げわっぱの魅力を伝えたい」と話す。

月3万円ビジネスは、栃木県那須町で「非電化工房」を主宰する発明家の藤村靖之さんが2011年の著書で提唱した働き方。収入は毎月3万円程度でいいとする「小商い」を自らの得意分野で行い、楽しみながら稼ぐことを目指す。小商いを複数持ち、一つの本業に縛られないライフスタイルも提案している。

山崎さんは、息子3人の子育てに忙しかった約5年前、都内の大手雑貨店で、曲げわっぱの弁当箱に一目ぼれ。「買い物は家族の物ばかり。久々に自分のために物を買いたくなった」と振り返る。使ってみると「木の手触りが素晴らしく、温かみを感じる。毎日お弁当を詰めるのが楽しみになった」と話す。

一昨年秋、草加市内で開かれる講座のチラシに目を留めた。チラシは月3万円ビジネスを紹介していた。「無理せず、自分が好きなことで挑戦できる」と興味を引かれ参加。講座で学んだ手法を実践し、昨年7月から「じゅんちゃんちの曲げわっぱ弁当」と銘打ち、食事を提供するカフェ、ケータリング、詰め方のワークショップなどを月2回程度開いている。

先月20日、同市の多目的スペースで開いたワークショップには12人が参加。山崎さんは自らの曲げわっぱの弁当箱を使い、ご飯やきんぴら、コロッケなどをどう詰めるか参加者に教えた。参加費は1人2千円程度。終了後、参加者は実食しながら「ちょっと工夫すれば高級に見える」「曲げわっぱの香りが良く、ご飯が冷めてもおいしい」などと興味深そうに話した。

山崎さんは「好きな『曲げわっぱの弁当を詰めること』で活動できていることに感謝している」と話す。今後は曲げわっぱについて、より深く学びたいといい「自分にできることは小さいが、曲げわっぱの文化を守るお手伝いがしたい」と語った。

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