名古屋の伝統工芸を伝えるセレクトショップ「わざもん茶屋」

1962(昭和37)年に創業して以来、提灯を職人の手により作り続けている伏谷商店。伝統を現代に伝えるこの老舗商店が2018年12月、「わざもん茶屋」を円頓寺商店街にオープンした。提灯のみならず扇子や和小物などを販売、伝統工芸品をより身近に感じられる空間となっている。

自ら作った着物を着て接客する店長の小川昌代さん。帯は円頓寺商店街の「ヲジマヤ」で購入することが多いという

伝統工芸を体験できるプログラムを不定期で実施。子供を対象にしたコースのほか、将来職人として仕事をしたい人に向けた弟子入りコースがある

また、2階のカフェスペースでは、各分野の職人の手ほどきを受けながらさまざまな伝統工芸品を作ることができる体験プログラムを実施。「名古屋提灯をはじめ、私たちの住む名古屋の伝統工芸の魅力や美しさに触れ、誇りに思えるきっかけになれば」と、店長の小川昌代さんは話す。

目次

触れて気づく伝統工芸の魅力

「伝統工芸品を日常生活に戻したい」という、強い想いと共にオープンした「わざもん茶屋」。提灯だけでなくさまざまな伝統工芸品が販売されているが、ディスプレイの仕方にもこだわりが。

「衣食住に昔の伝統を取り入れる」というコンセプトのもと、衣料から食品まで揃う

「どんな品もビニールをかぶせたりケースの中に置いたりせず、小さなお子様でも触れられる場所に置いています。提灯には美濃和紙を使っていますが、和紙の手触りや風合いは実際に触れてみないことには伝わりづらいものですから」と小川さん。敷居が高いと思われがちな伝統工芸品を、ぐっと身近にしてくれる。

「まりあかり」(税別1張3780円)。12種類のデザインがあり、季節に応じて照明をしつらえるのも粋だ

一番人気は、小さな提灯「まりあかり」(1張3780円)。そもそも、提灯の定義は“折り畳めること”。「まりあかり」はほのかな灯りが美しいだけではなく、コンパクトに折り畳めるのが特長だ。電池を使用するため、どこでも気軽に使用できる。

そのほかにも気になるアイテムがあったらぜひ手にとってみよう。目で見て触れて、その魅力を感じてほしい。

昼はカフェ、夜には“ちょい飲み”が楽しめるスペースも

「お抹茶セット」(税別500円)。愛知県西尾産の抹茶を使用している

2階のカフェスペースで味わえるのは、「お抹茶セット」や「白玉ぜんざい」(税別各500円)など、和テイストなメニューが中心。お抹茶セットの抹茶は愛知県西尾産を使用、円頓寺商店街の有名老舗の和菓子を添えるなど、ここにも郷土への愛を感じられる。

瓶ビール(550円)やどて(400円)、さまざまなおつまみが味わえる「匠セット」(1000円)など酒場メニューが登場

18時を過ぎると、なんと赤提灯が登場!金・土曜限定で“ちょい飲み”を楽しめる空間となるのだ。店内や店頭の提灯の灯りがより映えるので、夜に訪れるのもオススメだ。

「円頓寺は風情を愉しめる粋人の町」

名古屋市瑞穂区に本社工房を構える伏谷商店が、西区の円頓寺商店街にショップカフェを構えたのには、いくつか理由があるという。

「まずは立派なアーケード。提灯を外に飾っておいても雨風をある程度防げるのはとても大きい。そして一番は円頓寺には風情を楽しめる人が多いことです。着物を着て歩いてもとても絵になりますし、カメラを片手に散策されている方も多い。そういった風情をたのしめる方に支えられて営業しています」と小川さん。

「愛知は自動車産業だけでなく、伝統工芸が盛んな土地」と熱く語る

2019年7月に開催された「第64回円頓寺七夕まつり」に、初めて商店街側として参加した節には、店舗同士のチームワークにとても感動したのだそう。「新参者も老舗も関係なく協力し合う商店街の雰囲気はとても素晴らしい。今後は当店の2階のスペースを活かして、お座敷遊びや落語会などを開催することも考えています。円頓寺をもっと盛り上げるために、なにか貢献できればうれしいです」と語ってくれた。

伝統工芸に触れ、和スイーツに舌鼓。そして時には職人体験とさまざまな楽しみ方ができる「わざもん茶屋」。今後のさらなる活躍に期待!

※わざもん茶屋はAmexの地元応援プロジェクト「SHOP LOCAL」参加店です。

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