「博多張子」作り進む 来年のえと「子」

河野さん(左)と三好さんの手で絵付けされる来年のえとの博多張子

来年のえと「子(ね)」の縁起物作りが各方面で本格化している。博多を代表する伝統工芸品の博多張子(はりこ)もその一つ。張子師の河野正明さん(82)=志免町桜丘=と、弟子で昨年独り立ちした三好由美子さん(63)=福岡市南区=は、11月半ばの最盛期を前に絵付けに励んでおり、10月1日には販売も開始する。

博多張子は粘土でこしらえた型の上に、和紙を重ね張りして作る伝統工芸品。縁起物のほか、かつては玩具としても親しまれた。

三好さんは宝袋を担いだかわいいネズミを手掛けた。「子年の福を宝袋に入れて持ってきて」との願いを込めた。河野さんはネズミが乗った俵の貯金箱。「張子の素朴さに安らぎを感じて、元気をチュウ入してほしい」と話す。

2人は福岡市博多区冷泉町の博多町家ふるさと館で毎週火曜日に制作実演をしており、絵付け作業を見ることができる(休館日除く)。一部はふるさと館でも販売する。同館=092(281)7761。

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