三木小刀のルーツ紹介 伝統工芸士の男性が講演

鉄と鋼の違いを説明する長池廣行さん=みき歴史資料館

金物資料館(兵庫県三木市上の丸町)で開かれている企画展「大工道具の歴史」(12月1日まで)にちなんだ講演会が17日、みき歴史資料館(同市上の丸町)で開かれた。播州三木打刃物伝統工芸士の長池廣行さん(80)=三木市=が「三木小刀のルーツ」と題して話した。

長池さんは高校卒業後に家業である小刀などの製作に従事し、父や兄の指導を受けた。2000年に伝統工芸士に認定された。

講演で長池さんは、小刀の製造工程や、手打ちでなくプレス機械を使ったかどうかの見分け方を解説。「鋼と鉄を接合させる手順を飛ばして複合材を使うと、伝統的工芸品とは認められない」などと語った。

また、古文書の記述から、「小刀鍛冶は200年以上の歴史がある」と紹介。現在の職人の起源を探ると、名前が分かる範囲で3人にたどり着き、そのうちの1人が長池さんの父だったという。

三木市の男性(75)は「後継者不足の話も出たが、これだけ高い技術を身につけるのは、資質以上に相当な時間が必要だと理解できた」と話していた。金物資料館では同日、五寸くぎを使ったペーパーナイフ作りの体験会もあった。

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