三次人形の絵付け作業、最盛期迎える

素焼きの土人形に色鮮やかに絵付けをする堯さん(右)とみつ子さん

広島県の伝統的工芸品に指定されている三次人形の絵付け作業が、三次市十日市南の窯元で最盛期を迎えている。江戸時代後期に作られ始めたとされる伝統文化を半世紀以上守り継ぐのは、6代目窯元の丸本堯(たかし)さん(75)。昨年、市民栄誉賞を受賞し「地域に根差し、皆さんに愛される人形をつくり続けたい」と話している。

窯元では、丸本さんと妻のみつ子さん(69)が、素焼きの土人形の顔を布で磨いてつやを出した後、赤や黄、緑などの泥絵の具を重ね、顔や着物を細やかに描いている。その上に光沢を出すにかわを塗って仕上げる。独特のつやから、「光人形」とも呼ばれる。

絵付けは、にかわが固まりやすく色むらができにくい冬場を中心に行い、4月まで続ける。春の節句に向けて、天神や桜持ち娘、弁天など約50種計約500体をつくる予定だ。

県北地域で旧暦の3月3日に、男女問わず子どもがいる家庭で飾られてきた三次人形。堯さんは「子を大切に思う親の気持ちが伝わるよう、一つ一つ丁寧に仕上げたい」と話している。

元記事はこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次