吉田美穂がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DUNLOP presents みらい図鑑」。日本の美しい風景、地域で受け継がれる伝統、志を持って活動する人など、100年後の地球に生きる子どもたちへ繋げていきたい“ヒト・モノ・コト”を紹介しています。2月8日(土)の放送では、箱根で江戸時代から続く伝統工芸「寄木細工」に携わり、工房「るちゑ」を構える職人の清水勇太さんに、「寄木細工」の魅力についてお話を伺いました。
「寄木細工」とは、さまざまな種類の木を組み合わせ、それぞれの色合いの違いで、精緻な幾何学模様を描いていく木工技術です。箱根土産として、古くから愛されてきました。
清水さんの寄木細工との出会いは大学生のころ。たまたま訪れた箱根で出会い、繊細で高い技術に衝撃を受け、職人の道を目指すようになりました。自分を感動させてくれた伝統工芸。その世界をずっと未来へと伝えていけるようにと、清水さんは、これまでのイメージにとらわれないさまざまな作品をつくっています。
例えば、マラカスやカスタネットなどの楽器や保育園の遊具。
そして「ちりとり」などもあります。
これは同じ神奈川県内に伝わる「中津箒(ほうき)」にマッチする「ちりとり」を、との依頼を受けて、薄くスライスした寄木を絶妙な角度に折り曲げた、美しい作品を完成させました。
「るちゑ」では、さまざまな「木」を取り扱っていると清水さんは言います。「ぼくの工房では、ミズキ、ケヤキ、エンジュ、まかば、ほうのきなどの日本の木のほかに、海外からウォルナットやメープルを取り寄せて、主に15種類ぐらいのストックのなかから寄木の製品を作っています」
その名のとおり、「木」を「寄せて」作る工芸作品。「寄木細工」の魅力を清水さんは「木、1種類そのままで使ってもとても美しいのですが、いろんな種類の木が隣り合うと、1種類で見せた美しさとは異なった魅力が見えてくるのが、寄木細工の面白いところだと思います」と語ります。
若手職人・清水さんの手によって受け継がれていく伝統工芸品。この先、どんな作品がうまれるのか、楽しみですね。