山形市の伝統工芸品「山形桐箱(きりばこ)」によるブックケース「本の正倉院」が、国内の逸品や技術を発掘する「にっぽんの宝物JAPANグランプリ」(実行委員会主催)工芸・雑貨部門の最優秀に選ばれた。シンガポールである世界大会に出品される。製作する「よしだ」の吉田長芳社長(52)らが14日に市役所を訪れ、佐藤孝弘市長に報告した。
吉田社長は「山形の技術を世界に発信し、販路を広げたい」と意気込みを語った。2018年に入社し、加工などを担う五十嵐舞子さん(21)は「地元でものづくりに携われることがうれしい」と話した。佐藤市長は「評価は伝統工芸の再生につながる。世界でも頑張ってほしい」と激励した。
全国大会は昨年12月に東京であり、同部門では地方大会を通過した7品が審査を受けた。2月下旬に開催予定だったシンガポール大会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期が決まっている。
昨年秋に誕生した本の正倉院は、高気密で防虫、調湿効果に優れた桐の特色を生かした。ふたを着脱するタイプで、希少本や豪華本のコレクターらを対象に受注生産する。寸法で価格が決まり、1万2000~1万6000円程度。市内の百貨店「大沼」で扱っていたが、1月下旬に閉店したため、今後は新設した自社のウェブ「ハコナラ」で販売する。
連絡先は、よしだ023(645)3025。アドレスはhttp://hakoyoshi.thebase.in