江戸時代から愛知県豊橋市に伝わり、国の伝統的工芸品にも指定されている「豊橋筆」に親しんでもらおうと、伝統工芸士の筆職人たちが5日、市内の昭和保育園(市川順敬園長)を訪れ、年長園児たちに「ミニ筆」の作り方を手ほどきした。
年長園児約40人が楽しみにしていた卒園記念の行事。新型コロナウイルス対策でマスク姿の職人たちに見守られながら、交通安全と学業成就の守り札をつけた竹軸に、ヤギの毛を束ねた穂先を接着剤でつけた。小学校で使うランドセルにぶら下げて使う。
高級筆で知られる豊橋は日本三大筆産地の一つだが、筆づくりを担う職人は組合員に限れば40人ほど。各工房では経営者の高齢化や後継難など課題も多い。体験学習で小学校にも訪問する嵩山(すせ)工房代表の山崎亘弘さん(77)は「子どもたちに伝統を伝えていきたい」と話した。