杞柳の伝統を編む 姉妹講師「後継者出てほしい」 豊岡の博物館で教室

オリジナルの作品づくりに取り組む受講生ら

豊岡市の伝統工芸を学ぶ今年度の「杞柳(きりゅう)編み組み教室」が、同市赤石の鉱物博物館「玄武洞ミュージアム」で始まった。初級と中級の2クラスに分かれ約40人が受講し、オリジナルの編みかご作りなどに取り組んだ。

編み組み教室はミュージアムを運営し、県杞柳製品協同組合理事長を務める田中栄一さん(86)が、杞柳細工の生産や後継者の育成を目的に平成2年から毎年開いている。

田中さんの呼びかけで、地元の主婦らが参加。毎年受講する人も多く、「伝統産業を守りたい」と願う13人が伝統工芸士と認定されている。

今年は、姉妹で伝統工芸士に認定された宮崎和子さん(64)と小山正子さん(69)の2人が講師となり、中級クラスの受講生約10人に手提げかごの制作を丁寧に指導。宮崎さんは「杞柳は軽く、使い込むことで味わいが出ます。受講生から次の伝統工芸士が出てほしい」と期待。田中さんは「これからも豊岡の伝統工芸を大切に守っていきたい」と話した。

柳行李(やなぎこうり)やバスケットといった杞柳細工は豊岡市が発祥。4年に国の伝統的工芸品に指定され、18年には地域ブランド「豊岡杞柳細工」が商標登録された。

柳や籐(とう)製品は「杞柳製品」と呼ばれ、上品な味わいで知られるが、近年では原材料のヤナギの確保が難しくなり、生産者も減少している。

問い合わせは県杞柳製品協同組合(0796-23-3821)。

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