郷土伝統的工芸品「撫川うちわ」涼しげ 岡山の工房、制作大詰め

夏本番を控え、岡山県郷土伝統的工芸品「撫川うちわ」の制作が大詰めを迎えている。岡山市北区の石原文雄(号・中山)さん(83)の工房では、アサガオやホタルが描かれたうちわが並び、涼しげな雰囲気が広がる。

夏本番を控え、手作業で制作が進む撫川うちわ

撫川うちわは、和紙を光にかざすと絵が浮かび上がる「すかし」や、正岡子規らの俳句を一筆書きで雲の模様のように表現する「歌つぎ」の技法が特徴。江戸時代に三河(現愛知県)から伝わったとされる。

作り手は現在、保存会「三杉堂」の平松龍四郎(号・龍山)会長(80)と石原さんのみ。骨組み作りや絵付け、和紙貼りなど全て手作業で行い、1本の完成まで1カ月ほどかかるといい、県内の特産品を扱う「晴れの国おかやま館」(岡山市北区表町)で1万円前後で販売されている。

「素朴で最高の気品を持つうちわ」と石原さん。新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増える人もいるとあって、「自宅で見て、使って魅力を味わってほしい」と話している。

保存会結成35周年を記念し、展示会が8月10~15日、県天神山文化プラザ(同天神町)で開かれる予定。

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