木曽郡南木曽町の「南木曽ろくろ細工」の職人と上田市の木彫り作家が連携し、木製皿を完成させた。子どもにも自然の材料や生物に親しんでもらおうと、天然の木目を生かしたろくろ細工の皿に、木彫り作家が昆虫の彫刻を施した。
南木曽ろくろ細工は国指定の伝統的工芸品。上田市の木彫りは、県の伝統的工芸品「長野県農民美術」に指定されている。県伝統工芸品産業振興協議会の事務局を務める県中小企業団体中央会が、二つの工芸技術をつないだ。
丸皿は直径24センチ。通常の皿の他に、くぼみを中央からずらした皿も作った。中央付近にチョウやトンボの写実的なデザインを1種ずつ彫り込んだ。皿の製作はヤマイチ小椋ロクロ工芸所(南木曽町)の伝統工芸士が、デザインと彫刻はコゲラの里工房(上田市)の作家が担った。
中央会は「県内でも伝統工芸品を知らない人は多いので、少しでも知ってもらいたい」(連携開発部)とした。今後も伝統工芸を手掛ける事業者同士の連携を促進する。
皿は1枚税込み5千円。コゲラの里工房で販売しており、送料別で郵送する。問い合わせは同工房(電話0268-84-1311)へ。