会津塗

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特徴・産地

会津塗とは?

会津塗(あいづぬり)は、福島県会津地方で作られている漆器です。製造工程において、お椀等の丸物とお盆・文庫等の板物に分類され、松竹梅と破魔矢を組み合わせた模様は会津絵と呼ばれています。

会津塗の特徴は、縁起の良い意匠や多彩な加飾の美しさです。また、他の産地の漆器より溝を細かく浅く彫るので、装飾からは柔らかな表情を感じることができます。

江戸時代では黒・朱・青光(緑)の色が多く使われていましたが、近代になると赤茶のうるみやオレンジ色の洗朱(あらいしゅ)も用いられるようになり、限られた色数の中から考案された配色も見所になりました。

上塗りには、錆漆(さびうるし)を施して鋳物のような渋みのある「鉄錆塗(てつさびぬり)」、もみ殻で模様を作る「金虫喰塗(きんむしくいぬり)」などの技法が施されます。他にも木目の美しさを引き出した「木地呂塗(きじろぬり)」、油を加えて光沢を出す「花塗(はなぬり」」などの様々な上塗り技法があり、それぞれ高度な技術が要求されます。

加飾では、漆をたっぷり含ませた筆で描き、乾燥の具合を見ながら金粉の最も細かい消粉を真綿で蒔きつける「消粉蒔絵(けしふんまきえ)」が会津塗を代表する技法です。

歴史

会津塗の産業としての歴史は、1590年(天正18年)、蒲生氏郷が会津に入封したときに始まります。氏郷は、近江日野町から木地師と塗師を招き、最先端の技術を伝授させたことにより、会津塗は大きく発展します。その結果、江戸に近いこともあり、漆の木の栽培から加飾まで、作業を一貫して手がける一大産地となりました。江戸時代には歴代藩主によって保護奨励され、技術革新にも取り組み、幕末には外国に輸出されるほどになります。

幕末の戊辰戦争では戦禍に巻き込まれ、壊滅的な打撃を受けましたが、その後の復興により、明治時代中期には日本有数の漆器産地として再び活気を取り戻しました。

制作工程

1.荒挽き

会津塗は、お椀やお盆といった丸物と、重箱のような板物に分けられます。丸物に使用される素材はトチやケヤキなど、板物に使用される木地の素材はホウ・ケヤキなどです。大まかな形に切断したり削ったりしたあと、狂いを防ぐため数年にわたり自然乾燥させます。

2.木地作り

ろくろ挽きで丸物を作る職人は木地師(きじし)と呼ばれています。しっかりと乾燥させた荒型(あらがた)を、職人の手によって削りあげます。鈴木式ロクロと呼ばれるスリ型を使ったロクロを使うと、数多くの木地を効率よく仕上げることが可能です。

一方、板物の木地を作る職人は惣輪師(そうわし)と呼ばれ、会津の惣輪師は産地として、とても古い伝統を持っています。板木地の木を削る工程では、何種類ものカンナを使い分けて形を整えていきます。しっかりとした木地を作るには、熟練した技術が必要です。

3.下地

木地の下地には、錆下地が行われます。生漆と砥の粉を練り合わせた錆漆を塗布し、平らで滑らかに仕上げ、さらに凹凸をなくし漆の密着をよくするために研ぎ上げます。この工程を数回繰り返します。

4.塗

塗では、下塗、中塗、上塗が行われます。下塗、中塗では漆を塗った後研磨し、傷がないかどうかなどの最終チェックをします。そして、ホコリの付着や塗ムラが出ないように、慎重に上塗をおこないます。

上塗は、漆を塗ったままで仕上げる花塗(はなぬり)が一般的です。漆の肌をそのまま生かすために、やわらかくあたたかみのある塗り上がりとなります。均一に乾かすために時々上下を反転させながら、乾燥風呂の中で乾かします。

5.蒔絵(まきえ)

蒔絵は漆の接着性を応用した方法で、漆で絵を描いた上に金粉、銀粉、色粉などを蒔きつけます。色粉は、朱や緑、青などの顔料が使われます。

代表的な製造元

株式会社 白木屋漆器店

300有余年前の慶安年間に創業、享保年間より現在地にて漆器業を営んできました。土蔵造りの洋館店舗内では、現代風のアクセサリーから古典的漆器まで千点余りを展示販売しています。

創業 1650年 (慶安3年)
定休日 カレンダーを参照ください。 https://www.shirokiyashikkiten.com/access/calendar/calendar16.html
代表 高瀬 淳
営業時間 9:00~17:30
電話 0242-22-0203

鈴善漆器店

会津塗りは、四百年以上前の天正十八年(1590)に本格的に始まる会津の漆器づくり。 その問屋として創業百八十余年、鈴善漆器店は独自の技法を受け継ぐ職人たちの手で、堅固で美しく使いやすい会津漆器をつくり続けています。

創業 1832年 (天保3年)
代表 鈴木 勝健
営業時間 10:00~17:00
電話 0242-22-0680

高橋商店

代表 高橋 正勝
電話 0242-25-0660
見学 不可

関連施設情報

福島県伝統産業会館

電話 0242-24-5757
定休日 日曜日、祝日、第2・4土曜日、12/30~1/5、8/13~17
営業時間 9:00~17:00
アクセス JR磐越西線「会津若松駅」下車徒歩15分 東北自動車道「会津若松インター」より車10分
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