桐生織

目次

特徴・産地

桐生織とは?

桐生織(きりゅうおり)は、群馬県桐生市周辺で作られている織物です。現在の桐生市では気候や地形にも恵まれ、昔から養蚕(ようさん)が盛んな地域として栄えてきました。

群馬の歴史や文化などを紹介している上毛かるたの「き」の札では、桐生は日本の機どころとして取り上げられ、昔から織物の産地として有名であったことがわかります。

桐生織の特徴は、7つの織り方の技法です。技法の種類には、「お召織(おめしおり)」・「緯錦織(よこにしきおり)」・「経錦織(たてにしきおり)」・「風通織(ふうつうおり)」・「浮経織(うきたており)」・「経絣紋織り(たてかすりもんおり)」・「綟り織(もじりおり)」があります。

柔らかな感触と光沢があり、高級着物から服飾品に至るまで広く愛用されています。桐生市はファッションタウン桐生の名を掲げ、今でも産業の活性化に努めています。

歴史

「西の西陣、東の桐生」と伝えられるように、桐生織は1000年以上の歴史があります。桐生の地では昔から織物が盛んで、奈良時代の714年(和銅7年)に「黄あしぎぬ」と呼ばれる織物を納めた記録が残っています。

今日のように普及した背景には、上野国山田郡から朝廷へ宮使いをした一人の男が、官女の白瀧姫(しらたきひめ)に抱いた恋がきっかけであるという伝説もあります。男の願いが朝廷に届いて白瀧姫と結ばれ、男の故郷である現在の桐生市で暮らすことになると、養蚕や織物の道に通じていた白瀧姫は桐生の人々に織物を伝えました。後に西陣織と肩を並べるほど有名になり、新田義貞や足利尊氏など歴史的な活躍をした武将たちの身の回りにも桐生織の品が使われ、時に献上される品として伝わっていきました。

江戸時代後期から桐生織は産業として活発化していきます。

1887年(明治20年)に日本織物株式会社が創立したのをきっかけに着実な工業化に成功し、桐生織物は日本で代表的な産業として地位を築きあげていきました。1977年(昭和52年)に伝統的工芸品として認められ、現在に至ります。

制作工程

1.製糸

生糸を作り織り込む糸の準備をします。たて糸、よこ糸で使用する糸の種類は異なります。

2.精練・染色・糊付け

精錬では専用の熱湯の中で1時間ほど生糸を洗浄し、不純物を取り除きます。精錬後は、糸を指定の色に染め上げたあと、よこ糸に繊維の重さに対して倍の量の糊を手作業でもみこみます。糊によって次に行う「撚糸」の際によりがもとに戻るのを防ぎます。

3.撚糸(ねんし)

ごく細い糸をよりあわせて糸を丈夫にすることを撚糸といいます。伝統的な専用の機械にかけ、1mにつき2000回近くの強いよりをかけます。この後、糸繰りをして、整経と管巻きの準備をします。

4.整経・管捲き(せいけい・くだまき)

糸の長さを折る目的に合わせて所定の長さに整えることを「整経」といい、よこ糸をボビンの役目を果たす木管に捲(ま)くことを「管巻き」といいます。巻き方には手動、機械、自動巻きの各方法があります。この工程までで、糸の準備は終了です。

5.意匠・紋切

糸の準備が整ったらいよいよ着物のデザインの工程に入ります。企画した紋様を「意匠紙(いしょうし)」という方眼紙に写し取り、それに従って紋紙にデザインの情報を指示する穴をあける「紋切」という作業が行われます。現在では先端技術を活用し、コンピュータ上で作成したデザインを画像データとして保存し、そのデータを直接織り機に送って紋様を織りあげる方法もとられています。データ化により意匠の幅が広がり、元来より定評のあった桐生織の豊かな表現力が一層高まりました。

6.ジャカード・機拵え(はたごしらえ)

ジャカード織機とは、1806年(文化3年)にフランス人のジョセフ・マリエ・ジャカールが考案した織機です。桐生織には1886年(明治19年)佐羽喜六により外国製ジャカード・ピアノマシンが輸入されています。紋紙やコンピュータからの紋様データを綜絖(そうこう:たて糸を上下させる装置)に与える機械がジャカードです。ジャカードの運動を通糸からたて糸に伝えて開口させ、紋様をつくり出します。

7.機織り(はたおり)

ジャカードの指示どおりに、様々な文様が織物の表面にあらわれます。ここでは桐生織の7つの技法が繰り出される大切な工程であり、染色された様々な色の糸が織り成して作られていく様子は見どころです。織りあがった布地の表面は、手作業によって細かく検査されます。

8.しぼ出し

お湯に反物をひたし、よこ糸についている糊を落とすと糸によりが生じます。このよりが布地の表面にしぼ(布表面の凸凹)として現れます。

9.整理

布地を湯に浸し、反物の幅を広げるようにし、布地のデコボコの原因になるしぼを取り除きます。木槌で叩き、織物独特の風合いを出します。傷や汚れなど出来上がりを検査して、必要に応じて手作業で補修したら完成です。

市場に出回っている桐生織の品々には伝産マークが表示されています。職人の技を追求した絵画織も作られるなど、近年でもその技は磨かれ続け桐生織のファンからも注目を集めています。

代表的な製造元

泉織物有限会社

創業明治40年。創業以来百年絹の着物を創作いたしております。こだわりの絹糸を用い、伝統を守り「桐生織」「桐生絞」の紋織物や紬の着物や帯を創作しており。そのほとんどは一品物で、新しい現代の女性にあった着物づくりを考え、着心地の良さ・風合い・裾捌きの良さを大切にし創作活動を続けております。

創業 1907年 (明治40年)
定休日 土日祝日
代表 泉 太郎
営業時間 9:00~11:00(午前の部) 13:00~17:00(午後の部)月曜日~金曜日の平日のみ。
電話 0277-45-2449
見学 可 / 見学には、事前に予約が必要です。見学される3日前までに、見学人数・到着時間等を当社にお知らせください。

有限会社 高光織物工場

創業 1913年 (大正2年)
代表 高橋 康郎
電話 0277-44-5165

関連施設情報

森秀織物参考館・紫(ゆかり)

電話 0277-45-3111
定休日 月曜日
営業時間 10:00~16:00
アクセス 電車:JR両毛線「桐生駅」より徒歩15分
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次