登山者向けの地図をスマートフォン用のアプリで配信している福岡市のベンチャー企業「ヤマップ」が、福岡県内の伝統工芸品を使った登山用品を開発した。採用したのは小倉織と久留米絣。登山用品は防水透湿素材や完全防水のものが主流だが、小倉織と久留米絣の頑丈さに着目。海外から注文が入るほど売れ行きが好調という。
ヤマップが配信する登山者向け地図アプリ「YAMAP」は、電波が届かない「圏外」でも全地球測位システム(GPS)で得た位置情報を地図に落とし居場所を把握できる。2013年から無料配信を始め、ダウンロード数は約120万を誇るほどの人気ぶりだ。
そのヤマップが、肩から下げる小型バッグのサコッシュと、登山用パンツに伝統工芸品を取り入れた。小倉織と久留米絣でサコッシュを作り、登山用パンツは久留米絣で製造。小倉織は江戸時代から武士の陣羽織、国の重要無形文化財でもある久留米絣は農作業で着る野良着などに使われており、いずれも頑丈だ。
久留米絣の登山用パンツは17年5月、久留米絣のサコッシュは18年8月、小倉織のサコッシュは同11月から販売を開始。いずれも販売から1カ月で100本以上が売れ、海外からの注文もきているという。