グラスの底に“富士山”! 伝統工芸「江戸硝子」の工場に潜入

 東京に関わるさまざまな外国人の視点で東京の魅力を再発見するTOKYO MX(地上波9ch)の国際情報バラエティ番組「明日どこ!? DX」(毎週金曜12:29~)。4月5日(金)放送の「トレジャーニッポン」のコーナーでは、イタリア人モデルでピアニストのアレックス J.Dさんが江戸硝子の工場を見学しました。

 「江戸硝子」とは、江戸時代からの伝統を受け継ぎ、手作りで製造されたガラス製品のこと。江戸時代に日本橋でメガネなどの製造をしていたのが起源とされており、現在も東京都及び近郊で作られています。

 職人の手から生み出される独特なデザインは、江戸硝子の特徴の1つ。グラスの底に富士山がデザインされた「富士山グラス」は、「おみやげグランプリ2015」で観光庁長官賞を受賞したほどの人気デザインです。

 この「富士山グラス」が気になると言うアレックスさん。今回は、実際にグラスが作られる様子を見学するべく、田島硝子株式会社を訪れました。

◆江戸硝子一筋、63年
 江戸川区松江にある田島硝子は、昭和31(1956)年創業の硝子製作所です。これまで手がけてきた江戸硝子の商品は1万種類以上といい、商品は、客の要望に応えて開発することもあるのだとか。

 ショールームに入ったアレックスさんは、色とりどりのグラスを前に「ミュージアムみたい!」と大興奮。そして、お目当ての「富士山グラス」を発見!

 なかには、表面に桜や花火、もみじなど、四季折々のデザインを施した「富士山グラス」も。また、グラスの底の富士山は、飲み物の色によって変化するため、ビールを注ぐと黄金富士、赤ワインを注ぐと赤富士を楽しむことができるのだとか! 実物を手にし、「ずっと見ていられる」と感無量のアレックスさん。

◆“30点”でも「最高!」
 さっそく、江戸硝子の製作現場へ。工場の中央には、硝子を溶かす大きな溶解炉があり、そこを囲むように、職人たちが汗水をたらして手作業にとりくんでいます。

 江戸硝子は「型吹き」という製法で作られます。これは、溶解炉のなかで高温に溶かしたガラス種を“吹き竿”にすくいとり、台の上で形を整えたあと、型に入れた状態で空気を吹き込む方法です。

 グラスの表面を滑らかに仕上げるには、空気を吹き込むときに竿をくるくる回さなければなりません。また、ガラスの厚みを均一に仕上げるには、空気の吹き込み方で調整する必要があるのだとか。それらの正確さに加え、ガラスが固まる前に、スピーディーに成形しなければなりません。まさに“職人技”です。

 江戸硝子職人・岩間貴之さんの手ほどきを受け、型吹きを体験することになったアレックスさん。しかし、「息を吹くのも大変。竿の先(のガラス種)が見えないから、どうなっているのかわからない」と難しさを痛感。ガラスはうまく膨らまず、あえなく失敗……。

 いよいよ「富士山グラス」作りの見学へ! 企業秘密とのことで放送はできませんでしたが、アレックスさんは特別に見せてもらえることに。独自に開発した特殊な型で、グラスの底に富士山の形が模されていく様子を「おもしろそう」と見つめます。

 最後は、グラスの表面に、星の模様を入れてみることに。作業を楽しみながらも、「まっすぐに入れるのが難しい」と苦戦。そして20分後、ついに完成! 江戸切子職人・安形重徳さんに「最初にしてはちゃんと(下書きの)線をなぞれています」と褒められたものの、少し線がはみ出してしまったため、採点は「30点くらい(笑)」とのこと。

 それでも、グラスを手に「最高!」と笑顔を見せたアレックスさん。美しい「富士山グラス」への思いは、いっそう深まったようです。

 次回、4月12日(金)放送の「トレジャーニッポン」コーナーでは“東京こけし”の人気の秘密に迫ります。お楽しみに!

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<番組概要>
番組名:明日どこ!? DX
放送日時:毎週金曜 12:29~12:55
※再放送 翌週火・木・土曜 23:00~23:30 <TOKYO MX2>
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/asudoko/
番組Twitter:@asudoko_dx

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