東京五輪卓球台に輪島塗を採用 漆の艶、世界に 石川

東京五輪・パラリンピックで使用される卓球台。「T」をかたどった脚部分に輪島塗が施される=三英提供

来年の東京五輪・パラリンピックの卓球競技で使用される卓球台の一部に、輪島塗が採用されることになった。輪島塗の関係者らは石川の伝統工芸の魅力を世界に伝える好機だと喜び、若手漆芸家らも加わることで次世代への技術継承にもつなげたい考えだ。

 卓球台製造販売の国内最大手の「三英」(千葉県流山市)と輪島漆器商工業協同組合が6日発表した。

 同社によると、同社の卓球台が五輪で採用されるのは2016年リオデジャネイロ大会などに続き3回目。輪島塗が使われるのは、「モティーフ」と名付けられた特別仕様の卓球台の脚部で、4台程度製造される見込み。横から見ると東京や卓球の英訳「Table Tennis」の頭文字「T」をかたどったデザイン。東北復興の願いを込めて岩手県産材を使用する。

 同組合によると布着せや地の粉を使って丈夫な下地を作り、塗りを重ねた後、沈金や蒔絵(まきえ)、鏡面状に磨き上げる呂色などの技法を使う。複数の団体に協力を依頼して分業、制作する。同組合の隅堅正事務局長は「輪島塗の技をいかんなく発揮し、漆の艶や装飾など輪島塗の魅力が世界の人たちに十分に伝わるように仕上げたい」と意気込んでいる。

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