来春の卒業式シーズンを控え、那須烏山市小原沢、福田製紙所の工房「和紙の里」で、烏山和紙を使った卒業証書作りがピークを迎えている。
1300年の歴史を持つ市特産の烏山和紙は、原料となる那須楮(こうぞ)の皮を煮てほぐす工程から紙すき、乾燥まで全て手作業で行っている。注文は県内のほか都内や静岡、神奈川県の小中学校など約130校に及び、2月中旬までに3万枚弱を製造するという。
1日は同製紙所の代表で県伝統工芸士の福田博子(ふくだひろこ)さん(49)らが、午前9時から作業。紙料が入った水槽にすき桁を入れ、揺り動かして一枚の和紙に仕上げる工程を黙々と続けた。
福田さんは「12、1月と忙しい日々が続くが、一枚一枚心を込めて作りたい」と話していた。