愛知)コウゾの皮むく「カンゾカシキ」 子どもたち体験

甑(こしき)の前で、蒸したコウゾの皮をむく子どもたち

愛知県豊田市小原地区の工芸品「小原和紙」の原料になるコウゾの木を蒸して、皮をはぎとる「カンゾカシキ」と呼ばれる作業が17日、豊田市永太郎町の施設「和紙のふるさと」であった。小原地区の小中学生や先生ら約70人が、昔から伝わる作業を体験した。

この日は午前8時ごろから、施設職員らが約220キロのコウゾを、甑(こしき)と呼ばれる蒸し器で約3時間かけて蒸した。子どもたちは温かいうちに1本ずつ皮をはいでいった。小原中部小3年の浜辺浬(かいり)君(9)は「力を少ししか入れなくても簡単に皮がむけ、気持ちよかった」。コウゾから作られた和紙の原料は、市内の小中学校などの卒業証書に使われる。

小原和紙は室町時代に作られ始めたと伝えられている。明治~大正期には「三河森下紙」と呼ばれる番傘用の紙や障子紙の生産が盛んだったが、昭和になると洋紙やビニールなどの登場で和紙の需要が激減。カンゾカシキも途絶えたが、伝統技術を後世に伝えようと、1996年度に復活した。

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