福井県越前市の伝統工芸品、越前箪笥(たんす)の金具をチョコでかたどり、ハート形の「猪目(いのめ)模様」を再現した実物大金具チョコレート作りが2月2日、越前箪笥会館(同市)で行われた。実物の越前箪笥の金具から箪笥職人が忠実に起こした型にチョコレートを流し込み、越前市らしい、オリジナルのバレンタインチョコが出来上がった。
越前市の若者らによる着物愛好会「きものっこ」が、伝統に注目する活動の一つとして企画した。越前市の越前箪笥工房「ファニチャーホリック」の山口祐弘さん(49)が協力、実物の箪笥金具から忠実に木型を起こし、シリコンで実物大の型を作った。
この日はきものっこ会員ら約20人が参加。溶かしたチョコを型に流し込み、ドキドキしながら型をはがすと、ハート形の猪目模様がかわいらしい金具チョコレートが出来上がった。
猪目模様は、越前箪笥の金具のほか神社仏閣などの金具の装飾に用いられている。イノシシの目の形に似ていることから名がついたという説があり、装飾だけでなく魔よけの意味があるとされる。
きものっこ共同代表の出雲路善彰さん(28)と岩崎かおりさん(28)は「越前箪笥金具の猪目模様はハート形に似ているとSNSなどで話題になっていた。チョコ作りが越前箪笥など地元の伝統工芸に関心を集めるきっかけにしたい」と話していた。