イタリアの自動車ブランド「フィアット」とコラボレーションした岐阜和傘を、髙橋和傘店(岐阜県本巣郡北方町北方)の職人田中美紀さん(39)=愛知県一宮市=が製作した。伝統的な蛇の目傘にイタリアの国旗の赤、白、緑色を取り入れたデザイン。田中さんは「日本にはない斬新な色合わせ。すてきな作品になった」と話している。
輸入自動車販売FCAジャパン(東京都)がNPO法人メイド・イン・ジャパン・プロジェクト(同)と共同で、日本の優れた伝統工芸品に新たな光を当てる企画。県内では、これまで一位一刀彫、本美濃紙、郡上祭のげたを職人と製作している。
和傘は岐阜市玉井町のラ・ルーナピエーナでお披露目された。田中さんは「和傘のデザインは無駄がなく均一なバランスが取れた美しさがある」と魅力を語り、「求められたデザインを忠実に作るやりがいを知った」と振り返った。
同社マーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセさん(57)は「日本とイタリアにはものづくり文化がある。企画を通して両国の心をつなぎたい」と語った。
和傘は5点製作され、全国のフィアットのディーラーなどで展示する。今後は他の製品とともに商品化を目指すという。