「体験型」ギフト市場が好調 犬と旅、伝統芸能 幅広がる

 消費が「モノからコトへ」と言われる中で、「体験型」ギフト市場が伸びている。旅行・宿泊や食事のチケットのほか、愛犬家向けに犬と一緒に行けるリゾート特集や、歌舞伎、能といった伝統芸能の鑑賞券など幅が広がっている。ありきたりでない、親しい人へのお祝いにもぴったりだ。

東京・伊勢丹新宿店の売り場で体験型のカタログギフトを持つ販売員

 東京の伊勢丹新宿店のギフトサロン。落ち着いた雰囲気の売り場では、棚に百数十コースのカタログギフトが並ぶ。最近好調なのが、全国の宿泊施設や料理店を集めた体験型の「リゾート&ダイニング」だ。購入層は30代の女性が中心で、親の誕生日などのお祝いが多い。3万円程度が売れ筋だ。

 カタログギフトは結婚式の引き出物などで使われることが多く、不特定多数の人向けにさまざまな商品を掲載しているものが中心。担当者は「何でも載っている従来のタイプは不振だが、内容を絞った体験型はパーソナルなギフトとして人気です」と話す。

リンベルのカタログギフトに掲載された伝統芸能の紹介ページ

 体験型ギフトを専門に扱う「ソウ・エクスペリエンス」(東京)は、販売件数がここ数年、前年比で30%以上の伸びが続いている。5月の「母の日」前にはスパやエステなどが好調。友人の結婚祝いを想定した「FOR2」シリーズは、ダイビング、カヌーなどアウトドア体験や陶芸、藍染めなど伝統工芸も人気だ。全国約2500カ所の施設と提携している。平均価格は1万5000円程度。

 昨年発売した「ドッグリゾートギフト」は、関東周辺で犬を連れて泊まれる施設を掲載した「2人と1匹用」だ。西村琢社長は「初めて愛犬と一緒に旅行できたという声を聞く。贈る相手のことをよく分かっているというメッセージが伝わるギフトです」と強調する。

 カタログギフト大手の「リンベル」(東京)も体験型に力を入れている。昨年からエンターテインメントギフトという分野を開拓。当初は5施設だったが、今年は全32施設に広げた。

 内容は歌舞伎、能から演劇、落語、オペラに交響楽団とさまざま。一般的な購入方法では予約を取りにくいチケットも多く、劇場と交渉し席を確保しているという。担当者は「今後伸びる分野と期待しており、なるべく早く100施設程度に増やしたい」としている。

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