県伝統工芸品「富山木(もく)象(ぞう)嵌(がん)」の常設体験拠点が18日、射水市三ケの永森家具店内にオープンする。同社と富山木象嵌工芸会(富山市)が昨年の常設展示場に続いて整備し、19日まで記念イベントを開催する。技術継承が課題となる中、後継者育成につなげる。
木象嵌は、さまざまな色合いの木を嵌(は)め込み、絵を表現する技法。体験拠点は広さ約12平方メートルで、加工用の糸のこ盤を3台備える。合板を使った額づくり(税込み500円)、天然木のコースターづくり(同2千円)など3コースがあり、同会の会員が指導する。
これまでイベント会場で木象嵌の体験会を開いていたが、常設の拠点を確保するためクラウドファンディングで整備費126万円を集めた。新型コロナウイルスの影響で、予定より約2カ月遅れの開設になる。
同会の会員は男性7人で、60、70代が4人と半数を超える。一方、会員の作品約50点が並ぶ常設展示場が体験拠点横で昨年8月に完成し、同9月に朴木立堂会長(79)が県の「伝統工芸の匠」に富山木象嵌で初めて認定された。
同会は「念願の常設体験拠点で、富山木象嵌の魅力に触れてほしい」としている。体験日は土日祝のみで、予約が必要。問い合わせは永森家具=0766(55)1270=まで。