第53回日本伝統工芸染織展(日本工芸会など主催)で、江戸小紋職人の藍田愛郎さん(41)=群馬県高崎市足門町=が奨励賞に輝いた。2017年に亡くなった師匠で県指定重要無形文化財保持者の故・藍田正雄さんの工房を受け継ぎ、独り立ちしようと出品して初入賞。「親方も喜んでくれていると思う。伝統を守りながら新しいことに挑戦していきたい」と意気込んでいる。
受賞作は江戸小紋着尺「ねじり菊」。きりで彫った細かいキクの花を敷き詰めた型紙を使用し、濃い色の江戸紫で染めた。近年は正雄さんが得意としていたしま模様に取り組んでいたが、「工房を受け継いだので初心に帰ろう」と基本的な図柄を選んだ。