青森県内のすし店が加盟する県すし業生活衛生同業組合(村本信一理事長)は23日、黒石市がすし米としてブランド化をめざしている「ムツニシキ」の田植え体験会を同市で開いた。昨年からムツニシキを使ったすしを提供している県内のすし職人らが参加し、ブランド化への意欲を新たにした。
ムツニシキは約20年前まで県の奨励品種だったが、近年は「幻の銘柄米」になっていた。黒石市はすし米に特化した形で復活に取り組み、市内の農家の協力を得て昨年約20トンを生産。11月に県内25のすし店でデビューした。今年の生産者は昨年より4人多い11人で作付面積は2倍の約9ヘクタール。38トンの生産をめざしている。
この日の田植えはムツニシキを作っている農家の水田で実施。県内各地のすし職人ら6人が1時間ほど苗を手植えし汗を流した。八戸市ですし店「やま文」を営む村本理事長は「田植えは初めて。農家の苦労がよくわかった。今年産のムツニシキは組合の全54店で使ってもらえるよう努力したい。県内外からの客に我々が田植えをしたムツニシキですとアピールしたい」と話していた。