飛騨地域の伝統的工芸品「一位一刀彫」を手掛ける岐阜県高山市の工房で、来年の干支(えと)「子(ね)」の置物作りが最盛期を迎えている。
同市本町の津田彫刻では伝統工芸士の津田和彦さん(72)と弟真吾さん(65)が10月上旬から作業。約30種類の彫刻刀を使い分け、尻尾を伸ばしたり、小づちに乗ったりしたデザインのネズミを彫り進めている。
今回初めて、彫刻刀の細切れ込みで毛並みを表現したものを手掛けた。「令和の時代になって作る最初の干支。ねずみ算のように良いことが増える年になれば」と真吾さん。年末までに大小約100個を作り、全国に発送する。