伝統工芸品を現代風にアレンジして販売する軽井沢町の会社「ラブジャパンブランド」が、戦国武将真田氏ゆかりと伝わる「真田紐(ひも)」のブレスレットの海外販売を本格化させる。昨年12月、優れた日本製品の認定と販路拡大支援をする「おもてなしセレクション」の一つに選ばれたことがきっかけ。米国などで海外客の反応を試し、販路拡大を目指す。
おもてなしセレクションは大手広告会社など6社が2015年度から開催。毎年商品を選び、19年度は真田紐ブレスレットを含め全国の103点を認定した。受賞者は海外での販売先を紹介してもらえるといった特典がある。
13年設立のラブジャパンブランドは当初から、真田紐を使った装飾品などの製造、販売を手掛けてきた。昨秋には、真田紐の国内製造の大半を占める金沢市の織元の誘いで共同開発を開始。ブレスレットの他に、マスキングテープや靴ひもといった製品開発に着手し、商品の充実を図る中で今回の受賞に至った。
「伝統の技術や品を継承したい」と同社代表の鈴木衣里子さん(55)。真田紐は真田昌幸が刀の柄を巻くために用いたと伝わり、丈夫さや幾何学模様が特徴だ。ただ、現代では用途が限られる面もある。鈴木さんは「伝統を今の日常に合わせた商品にして、国内外に魅力を伝えたい」といい、まずは今月から米国のセレクトショップでブレスレット数十個を販売する。
ブレスレットは保存用の巾着付きで税込み2800円。同社公式ホームページを通じネット通販サイトでも販売する。