世界7カ国の茅葺(かやぶ)き職人が岐阜県大野郡白川村に集まる国際会議「国際茅葺き会議日本大会」の開幕を5月18日に控え、村は世界遺産の白川郷合掌造り集落を支える相互扶助の仕組み「結(ゆい)」や茅葺きの技術を紹介する冊子を製作した。
冊子はB5版、50ページでカラー。日英対訳。住民が手分けして作業する結の葺き替えを図解した1章に始まり、2章では茅を頑丈な屋根に仕上げる職人の技を豊富な写真で解説。茅葺き職人や若手村民らのインタビューを3章に掲載し、茅の活用の今後を示した。
国の文化遺産総合活用推進事業の補助金を受け、村が233万円で製作した。同会議の出席者に配り、村独自の文化への理解を助ける。倉嘉宏前教育長は「合掌集落を守ってきた人々の生きざまが表れている。村内外で幅広く読んでもらえれば」と話した。村内全戸配布も予定している。
同会議は、茅葺き屋根の文化を持つ7カ国でつくる国際茅葺き協会(ITS)、日本茅葺き文化協会と同村が共催。村内では茅葺きの未来を話し合うパネルディスカッションと合掌家屋の葺き替えの実演があり、国内外から職人ら約300人が参加する。