手まりを未来に連れていく 由利本荘出身の「工房」館長

全国各地で作られている伝統工芸品「手まり」の魅力を発信する拠点「千寿てまり工房」の館長・佐藤裕佳さん(25)は由利本荘市出身。東京・北千住の古民家を改装した館内は、天井からたくさんの手まりがつり下がり、華やかな雰囲気で訪れた人たちを出迎える。「手まりはデザインも本当にいろいろ。とても可能性を感じる題材」と話す。

館内では故郷の「本荘ごてんまり」をはじめ、各地の手まりを紹介。カラフルな手まりをあしらったピアスやイヤリングなどのアクセサリーも販売する。

工房では毎月1回、手まり作り体験のワークショップを開いているほか、書家や工芸家らの作品展示会場、レンタルスペースとしても使われている。「ものづくりに携わっている人たち、クリエーターを応援していきたい」と語る。

本荘東中、本荘高から早大に進み、大学時代には中高の同級生と2人で「秋田cheers(チアーズ)」を結成。「離れていても地元の活性化のために何かしたい」と、県産菓子詰め合わせギフトの販売イベントや県産米粉のラスク販売などを手掛けた。大学卒業後は都内のウェブマーケティング企業に就職。北千住を中心に教育関連事業などを展開する会社「CAN」が運営する工房の立ち上げに関わり、昨年7月のオープンと同時に館長に就いた。

小さい頃から実家にはごてんまりがあったが「全然気に掛けたこともなかった」。しかし大学在学中、由利本荘市職員に小さなごてんまりを見せてもらったことがきっかけで魅力に気付き、作り手の後継者不足など課題も知ったという。大学の卒業式には、手まりを付けたかんざしを髪に挿して出席した。

千寿てまり工房のテーマは「てまりを未来に連れていく」。この言葉に込めた思いについて「単に飾るだけではなく、手まりの新しい使い方を提案して価値を高め、ファンを増やしたい」と語る。

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