信楽焼の窯元「しんにょ陶器」(滋賀県甲賀市信楽町牧)の田村静夫社長(72)が、球形の陶製スピーカーを開発しました。
しんにょ陶器は、器や花入れ、置物、手洗い鉢など、生活によりそった器づくりや、陶芸教室を主催し日本の伝統美や技術の伝達など 幅広く活躍されています。
社長の田村さんは、1946年陶郷信楽に生まれて、1970年~1977年に機械設計や工業デザインを身につけ、1987年から独学で陶器づくりに励み、地元陶器総合展にてさまざまな賞を受賞しております。
田中さんは、昔ながらの素朴な陶器のよさを現代に蘇らせ、さらに時代を先取りした夢のある器づくりを目指しており、近年は海外を拠点に信楽焼の普及に従事しております。
長時間聴いても疲れない優しい音色が特徴で、地元の寺や京都の料亭で使われているほか、東本願寺(京都市下京区)で4月1日から始まる「春の法要」でも活用されるそうです。
しんにょ陶器は食器や洗面台を生産しており、2013年に、趣味で木製や金属製のスピーカーを作っている大阪市の知人から提案されて、田村さんが陶製スピーカーを試作。
試聴してもらうと「360度から音が出て、耳に優しい聴いたことがない音」と驚かれたそうです。
球形に成形して焼いた陶器に市販のスピーカーユニットをはめ込み、球の内側は釉薬(うわぐすり)が塗られていないそうです。
田村さんは「科学的根拠は分からないが、信楽焼は土の粒子が粗く表面に空気が出入りする微細な穴が無数にあるので、まろやかな音になるのでは」。
オブジェのように見えることや、防水加工すれば屋外で使えることもこちらの良い点です。
地元や宇治市の寺院と、京都市内の料亭に無償で提供し、「意匠の雰囲気も良い」と評価されているそうです。
東本願寺へも4月1~4日の法要期間中に貸し出し、飛び地境内の「渉成園」の庭園や建物内に置き、参観者への案内アナウンスに用いられています。
直径約15センチから50センチ超までさまざまなサイズを作っており、田村さんは「大量生産はしないが、将来的に販売もできれば」と話しております。
こちらのスピーカーの情報は、紫香楽ラボ株式会社からご覧になれます。