佐賀大学芸術地域デザイン学部の漆・木工専攻の学生11人による作品展「うるし展」。伝統的な技法による作品や、発泡スチロールを使った立体作品など、さまざまな漆の表情に出合うことができる。
出品作は、学部2年から大学院2年までの学生が今年制作し、同学部の井川健准教授の作品とともに19点展示している。グラスなど器のほか、動物をモチーフにした作品も多い。
3年麻生二葉さん(21)の「ねねね」は、首の長いキリンのような動物がすっくと立つ姿を表現した。180センチの大作で、首の反り具合や脚の肉付きが美しい。「丸みを表現したかった」と、胸や尻の部分は粘土で肉付けした。
2年佐藤由梨さん(20)の「柿蒂(してい)」は柿のヘタを造形と色合いで表した。蒔絵(まきえ)や漆塗りに用いられる「乾漆粉」の上に色釉を塗り、光沢を抑えて深みのある赤色を出した。
ほかに、布のシワを使って動きを表現した連作や、ペンギンをキャラクター風に仕上げたものもある。
うるし展をとりまとめた3年江口裟季さん(20)は「漆のつやの美しさを感じ、日本の伝統工芸品に親しむきっかけにしてほしい」と話している。
▼「うるし展」は佐賀市与賀町の山口亮一旧宅=0952(60)2978=で、17日まで。