佐賀鍋島藩の御用品として知られる綿織物「鍋島緞通(だんつう)」と日本工芸会正会員の染織作家秋山眞和さん(宮崎県)の企画展が、佐賀市大和町の吉島伸一鍋島緞通ギャラリーで開かれている。伝統を受け継ぎながら現代の住空間に調和する約40点を展示している。入場無料。12日まで。
鍋島緞通は古典柄だけでなく、モダンなアレンジを加えた作品まで幅広く並ぶ。伝統の蟹牡丹(がにぼたん)に七宝をあしらった「献上柄」や、十五代酒井田柿右衛門さんが描いた団栗(どんぐり)を伸びやかに織り込んだ作品も。現代の住空間で長く使ってもらえるよう硬めの糸を落ち着いた色で染めている。
秋山さんの作品は、藍染めの反物やテーブルクロスだけでなく、有明海産のアカニシ貝で染めた赤紫色のショールなどがある。
4代目技術継承者の吉島ひろ子さんは「紺を基調に色んな伝統工芸を楽しめる空間にした。深みのある色と繊細な織りを楽しんで」と来場を呼び掛ける。