高岡市美術館で開催中の第58回日本伝統工芸富山展は25日、初の週末を迎え、多くの来場者が匠(たくみ)の技に触れた。日本工芸会富山支部会員による作品解説があり、用いられた技法や作り手の感性を紹介した。同展は6月9日まで。
同展は、同支部会員や一般の入賞、入選作を展示。小森邦衞さん(漆芸、石川)や大澤光民さん(金工、高岡)ら重要無形文化財保持者(人間国宝)を含む県内外の著名作家らも賛助出品し、「用の美」を追究した作品168点が並ぶ。
25日の作品解説は日本工芸会富山支部幹事長の般若保さん(金工)と佐野猛さん(諸工芸)、平岡彰子さん(人形)が担当。入賞作や人間国宝らの賛助出品作について解説した。
般若さんは鋳金と鍛金、彫金の三つの技法の違いを説明。最高賞の日本工芸会賞を昨年に続き受賞した中村孝富さん(金工、高岡)の「吹分鋳銅花器(ふきわけちゅうどうかき)」について「シンプルな技法ながら、黄銅と黒味銅の異なる金属が鮮やかに分かれている」などと話した。
同展の開場は午前9時半~午後5時。入場料は一般800円、シニア640円、大学生500円、高校生以下無料。月曜休館。26日と6月1、2、8、9日も午後2~3時に作品解説を行う。高岡市美術館、日本工芸会富山支部、同会、北日本新聞社主催。