青森市の東奥日報新町ビルNew’ホールで開かれている「エヴァンゲリオン展」で、青森県の伝統工芸品とコラボしたグッズが注目を集めている。「エヴァ」の作品イメージを忠実に表現しようと青森県の職人たちが技術力を発揮。アニメと伝統工芸が結びつき、新たな魅力を放っている。
青森市の北洋硝子はガラス製品「津軽びいどろ」のタンブラー、箸置き、一輪挿しを制作。エヴァンゲリオン初号機の紫色と2号機の赤色を表現するため、特別な色を開発した。
職人の半数は同作のファンで、コラボの話が持ち上がった際は社内が沸いたという。中川洋之工場長は「模様、色を均一にするのは技術力が求められた。手描きとは違うガラス独特の波模様、色合いを見てもらいたい」と話した。
こぎん刺しの糸や小物を製作・販売する虹色工房1chi(イチ)=同市=は、手染めの糸を使ったこぎん刺しのタンブラーや名刺入れ、ピアスなど計20種以上を手掛けた。店主の菅原美佳さんが、アニメを何度も見て物語を研究。キャラクターのイメージカラーに染めた糸で、それぞれの性格を踏まえてモドコ(模様)を選び、デザインした。菅原さんを含めた13人で手刺しした。
菅原さんは「タンブラーと名刺入れはすべて、5人のパイロットをイメージして『花コつなぎ』の伝統模様を入れている。青森の良さをエヴァ展から知ってもらえれば」と話した。
このほか、弘前市のイシオカ工芸は色を作品仕様にした津軽塗のおわんと箸を手掛ける。石岡健一取締役専務は「扱いが難しい漆に試行錯誤を繰り返し、絶妙な紫色が表現できた」と自負、津軽塗の普及に期待を寄せた。おわんと箸は来月上旬に店頭に並ぶ予定。
同展の会期は8月26日まで。グッズを販売する併設のショップは無料で入場できる。グッズは種類によってはなくなり次第販売終了になる。