おかげ横丁(伊勢市宇治中之切町)伊勢路名産味の館2階の大黒ホールで現在、「伊勢の匠展」が開催されている。
古くから伊勢参りとともに発展し、今もなお残る匠の技で仕上げられた伝統工芸品を一堂に集めた同展。伝統工芸品ができるまでの過程や職人の手仕事に注目し、実演を交えながら作り手とその作品を紹介する。今回で22回目。
展示は、「伊勢根付」(中川忠峰さん)、「伊勢一刀彫」(岸川行輝さん、太田結衣さん)、「神殿」(宮忠、西口神具店)、「伊勢和紙」(大豊和紙工業)、「和釘」(久住商店)、「伊勢提灯」(岩田提灯店)、「籐細工」(籐商玉屋)、「木漆工」(野嶋峰男さん)、「松阪もめん」(ゆうづる会)、「伊勢木綿」(臼井織布)、「市木もめん」(向井ふとん店)、「伊勢春慶」(伊勢春慶の会)。「伊勢玩具」(畑井商店)、「伊勢擬革紙」(擬革紙の会)、「伊勢型紙」(大杉型紙工業)、「日永うちわ」(稲籐)、「那智黒石」(仮谷梅管堂(かりたにばいかんどう)、「伊賀くみひも」(くみひも平井)、「鈴鹿墨」(鈴鹿製墨協同組合)、「竹笛」(伊勢特産玩具製作所)、「なすび団扇」(賀来商店)、「さるはじき」(時計屋なかの)、「四日市萬古焼」(醉月陶苑)、「伊賀焼」(小島憲二さん、陽介さん)など28工芸品、29出品者、308種、1500点。
催事企画部の山本善照(よしてる)さんは「古くから庶民のあこがれだったお伊勢参り。全国から旅してきた人々は神宮参拝を終えると、伊勢の地で故郷へのお土産を買って帰った。神札や護符もお土産の一つで、ミヤゲの語源は「宮笥(みやけ)」という、神札の箱札から由来しているともいわれ、参拝と深い関係があることもうかがえる。伊勢路の土地や庶民の生活に根ざした物、神宮の四季折々の行事にちなんだ物、健康や農作物の豊作を願った物など、さまざまな意味を込めて作られた伊勢路の土産・工芸品・作品の数々をより多くの人に、見て、触れて、興味を持っていただければ」と話す。
「伊勢の匠に教わる」工作教室は、「籐細工」によるコースター(600円)、ミニかご(700円)作り、「伊勢一刀彫」による干支(子)彫り(700円)、「伊勢擬革紙」によるうちわ(1,000円)、万華鏡(600円)、御朱印帳(2,000円)作り、「伊賀くみひも」による叶い結びキーホルダー(900円)、「伊勢玩具」によるヨーヨー(600円)、こま・けん玉(800円)絵付けなど、体験コーナーも連日子どもたちでにぎわっている。8月12日まで、同横丁内かみしばい広場横で体験できる。
松阪もめんの機織り体験でコースターを作った女の子は「初めての体験だったが、うまくできて楽しかった。夏休みの工作の宿題に出したらみんな驚くと思う」と笑顔を見せていた。
開催時間は10時~17時。8月18日まで。