倉敷市美観地区の町家を屏風(びょうぶ)で彩る秋の風物詩「倉敷屏風祭」が19日、始まった。家伝の逸品を玄関先などに飾り、観光客らを出迎えている。20日まで。
本町、東町を中心に約600メートル区間で民家や商店など25軒が参加。倉敷物語館(同市阿知)では、江戸時代の京都の町並みを描いた「洛中洛外図」を高精細デジタル技術で複製した屏風を展示。細かい筆致で描かれた大作を間近で鑑賞でき、人気を集めていた。
ギャラリー十露(同市本町)では、地元を拠点に活動した木工芸の人間国宝・大野昭和斎の風炉先屏風など、県ゆかりの作家の作品を展示。通りの民家も代々受け継いできた屏風やよろい、着物をお披露目した。
毎年家族で訪れるという女性(39)=同市=は「生け花やお香のもてなしもあって、倉敷の歴史と伝統を感じます」と話した。
屏風祭は阿智神社(同市本町)の秋季例大祭に合わせた行事。明治期に途絶えたが、2002年に住民有志が復活させた。公開は午前10時から午後5時まで。