重要無形文化財保持者(人間国宝)の木工芸家で、兵庫県尼崎市出身の村山明さん(75)の個展「人間国宝 村山明 木工芸の世界」(神戸新聞社など後援)が15日、同市昭和通2の市総合文化センターで始まった。木目が美しい力作46点が並ぶ。
同市文化振興財団が主催。彫刻刀やノミで木を削って形を作る伝統技法「刳物」を得意とする村山さんは、木目を生かした力強い独創的な作品で知られる。
初日は来場者約60人に村山さん自らが展示品を紹介。全体のバランスにこだわった「欅拭漆飾棚」や、英国の宝箱を模して1本の木から作り出した四角い「黒柿小箱」を前に、技法などを説明した。村山さんは「複雑すぎて一見単純に見えるのが面白い」と笑顔で話し、最後は「前後左右が対称でない作品も作っていきたい」と意欲を語った。
村山さんと高校時代の同級生という男性(75)=大阪市北区=は「数百年先、木がどう変化するのかを考えて作り込む気持ちが作品から伝わってきた」と目を細めた。
8月4日まで。一般500円、65歳以上と大学生は250円で高校生以下は無料。午前10時~午後5時。火曜休館。
尼崎市文化振興財団 TEL 06-6487-0806