第58回日本伝統工芸富山展は24日、高岡市美術館で開幕した。金工、漆芸、木竹工、陶芸、染織、人形、諸工芸の7部門で、時代を超えて受け継がれてきた技術と、作り手の感性が光る168点が並んでいる。6月9日まで。
最高賞の日本工芸会賞を2年連続で受けた中村孝富さん(金工、高岡)の「吹分鋳銅花器(ふきわけちゅうどうかき)」をはじめ、日本工芸会富山支部会員や一般の入賞、入選作を展示。小森邦衞さん(漆芸、石川)や、大澤光民さん(金工、高岡)ら県内外の重要無形文化財保持者(人間国宝)らが賛助出品している。
開会式で、日本工芸会富山支部長の永原功北陸電力相談役、高橋正樹高岡市長、忠田北日本新聞社長があいさつ。須河弘美県生活環境文化部長、狩野安郎高岡市議会議長が祝辞を述べた。審査員を代表し、日本工芸会理事を務める小森さんが「令和元年という記念すべき年に審査に立ち会え、受賞者の皆さんと共に喜べるのは幸せなこと」と述べ、村上隆高岡市美術館長が加わりテープカットした。
会場には午前中から大勢の美術ファンが訪れた。南砺市城端西上、呉服店経営、清部一夫さん(56)は「作家が精魂を込めて制作したのが伝わってくる」と話した。富山大芸術文化学部4年で漆芸を学んでいる、高岡市江尻、水沢卓生さん(22)は「伝統的な形の中にもいろいろな試みがされていて勉強になる」と熱心に鑑賞していた。
開場は午前9時半~午後5時。入場料は一般800円、シニア640円、大学生500円、高校生以下無料。月曜休館。
高岡市美術館、日本工芸会富山支部、同会、北日本新聞主催。